あきれた奴 ’89年10月25日
【あらすじ】
同心・岡村啓次郎は、ある日橋の上から身投げしようとしていた母子を助ける。
女は、岡村が10日前に捕えた盗人・鹿留の又八の女房おたかだった。
又八には、人を殺し、金を独り占めして逃げた相棒がいる。
おたかの話などで、又八の人柄を見込んだ岡村は、又八を逃がす。
事情を察した平蔵は、岡村を牢に入れ様子を見守る。
【見どころ】
岡村と又八の信頼関係、又八とおたかの愛情、そして岡村の行動を信じる平蔵。
それらが、見事に調和した作品。岡村役の中村橋之助が、見かけによらず肝の太い男を好演。
【ポイント】
原作との大きな違いは、これは岡村の話ではなく、同心・小柳安五郎のエピソードであること。
原作では、又八はかつての葦火の喜之助一味、又八の知り合いの清五郎は、夜兎の角右衛門一味だった本格派という説明があります。
脚本=保利吉紀 監督=大洲斉
出演=平蔵、久栄、忠吾、沢田、山田、竹内、山崎、三次郎、おまさ、岡村啓次郎(中村橋之助)、おたか(長谷直美)、鹿留の又八(平泉成)、天野甚造(御木本伸介)
八丁山の清五郎(宇田比呂也)、雨畑の紋三郎(三浪郁ニ)
【編集後記】
同心、岡村役の中村 橋之助は、鬼平には色々な役で登場しています。
あきれた奴だと鬼平に言わしめる、岡村と又八の演技は非常に面白い。