鬼平犯科帳(萬屋錦之助版)・第2シリーズ(鬼平犯科帳’81)・第20話:女賊
初回放送:1981年8月25日
女賊・あらすじ
東海道岡部の宿は、江戸より四十八里。今の静岡市から十六キロほど西にある、ひっそりとした宿場である。
その宿場の西の外れにある、小間物屋・川口屋に、行商人風の一人の男が訪ねてきた。
福住の千蔵。見かけはばっとしないが、これでも十人ほどの手下をもつ、盗人の頭の仮の姿である。
川口屋は、戸が閉まっていた。
隣のかぎやの主人が、皆は寺に行っていると教えてくれた。小兵衛の甥の甚三の一周忌なのだ。
寺に行ってみると、小兵衛と、甚三の妻と娘が墓参りをしているところだった。
千蔵は小兵衛に声をかけた。小兵衛は、二人を先に帰すと、千蔵に用向きを訪ねた…
そしてその夜、世話になった人が危ないそうだと嘘をつき、小兵衛は江戸を目指した。
〜江戸〜
おまさが行商の荷をかついで歩いていると、物陰からある店を見ている男がいた。
気にかかって立ち止まり、振り返ると男は逃げて行く。
おまさは急いで後を追ったが、ついぞ見失ってしまった。
そこへ物陰から「おまさちゃん」と呼ぶ声がする。振り返るとさっきの男だった。小兵衛である。
おまさと小兵衛は、仕事の上での古い知り合いだった。小兵衛も、元盗賊だったのだ。
小兵衛は、おまさ助けて欲しいことがあると、昼にさそった。
〜役宅〜
小兵衛と別れたあと、おまさは平蔵に、小兵衛との一件を報告するため役宅を訪ねた。
小兵衛は盗賊時代「お勤め家業をするものは、女房子供を持つな」と言っていたのだが、四十も半ばをすぎてから、茶女に子を作ってしまった。だが母親は、産後の肥立ちが悪く、まもなく死に、小兵衛は倅(せがれ)を里子にだした。
その倅の幸太郎が、とんでもないことになってる。気を付けなきゃいけないと、10日ほど前、古いお勤め仲間の、福住の千蔵が教えてくれたのだ。
幸太郎は、まだ十七だったが、猿塚のお千代という女外道に引っかかっているという。猿塚のお千代は、四十過ぎだが、まだ三十ちょっとにしか見えない。
福住の千蔵は、幸太郎とお千代が上野・池之端にある「ひしや」という出会い茶屋から出て来るのを見たという。
小兵衛は、心配でたまらなくなり江戸に出て来たのだ。 だが、ガキの時分に手放したため、幸太郎の顔が分からなかった。
小兵衛は、猿塚のお千代の居場所を突き止めて欲しいと、おまさに頼んだのだった。
それを聞いた平蔵は、幸太郎が奉公する乾物問屋「大阪屋」を、猿塚のお千代が狙うつもりだと睨んだ。そして、おまさを奉公人として大阪屋に入らせることにした。お千代から幸太郎に繋ぎがあるはず
、一時たりとも幸太郎から目を離すなと指示をした…
オープニングクレジット
プロデューサー:片岡政義、市川久夫、中岡潔治
原作:池波正太郎(文藝春秋刊)
脚本:野上龍雄
音楽:木下忠司
キャスト
長谷川平蔵:萬屋錦之助
酒井祐助:目黒祐樹
おまさ:真木洋子
大沢萬之价
菅啓次
立花正太郎
堀之紀
綾川香
団巌
水野麻規子
中島毅士
田原千之右
山本廉
新橋正浩
土井辰也
黒川二郎
河村美樹
本田昭雄
小島和夫
渡辺敬仁
太田政和
田中博
ナレーター:小林昭二
殺陣:松尾玖治、錦燿会
猿塚のお千代:池波志乃
小房の粂八:藤巻潤
瀬音の小兵衛:小林昭二
大阪屋伊之助:仲谷昇
監督:吉村公三郎
エンディングクレジット
スタッフ
撮影:伊佐山巌
照明:内田皓三
録音:谷村彰治
美術:鳥居塚誠一
制作 小島高治
編集:大高勲
整音:T・E・S・S
選曲:宇賀神守宏
効果:東宝効果集団
助監督:横井洋
色彩計測:淵野透益
記録:東紀子
タイトル:鈴木日出夫
演技事務:田中忠雄
俳優管理:田原千之右
制作進行:長沢克明
進行:加納譲治
制作宣伝:納村達夫
装置:横山英一
装飾:清水晋冶
美粧:鵜飼威志
技髪:川口義弘
衣裳担当:福田明
大道具:東京テレビアート
小道具:高津映画装飾
衣裳:東京衣裳
かつら:川口かつら
現像:東洋現像所
プロデューサー補:菊池昭康
協力:生田スタジオ
制作:テレビ朝日、東宝株式会社、中村プロダクション