同心木村忠吾の設定は、独身で25歳ぐらい。剣術はからっきし駄目だが、女とうまいものに目がなく、ドラマの中では視聴者にもバカッじゃなかろうか~と思わせるほどの演技をする尾美としのり。実は時代劇は初めての経験で、着物の着こなし、武士としての振る舞いなどなにかとご苦労があったようだ。
うさぎと呼ばれる忠吾
そして、平蔵から「うさぎ」と呼ばれるアダ名の由来だが、芝・神明前の菓子舗「まつむら」の銘菓・うさぎ饅頭に顔が似ていることから、うさ忠とアダ名されている。このアダ名には、谷中・いろは茶屋の佐嶋忠介のセリフによれば裏の意味もあるという。「甘さもほどほど、塩味もほどほど」。いくつ食べても腹にたまらず、1個一文は安い。つまりは、毒にも薬にもならない穀潰しということだ。これを聞いて、自分も納得です。番組中は忠吾に腹が立つこともありますが、エンディングを迎えるときには自分も笑顔になっているのが、佐嶋の言っていることが納得です。
忠吾には女に関するエピソードが多く、兇剣では、京都西町奉行所与力・浦部彦太郎に気に入られ長女妙を嫁にもらってくれと言われたり、谷中・いろは茶屋では、茶屋の女のお松と相思相愛にもなる。市中見回りのついでにうまい食い物屋を探してきては、平蔵に進言し連れ立ってお供に授かったりする。また平蔵が盗賊一味の捕縛のために平蔵が変名を使っている場面でも、忠吾の名前をどこかに入れ込むのは、平蔵に可愛がられていることがうかがえる。