雨引の文五郎 ’90年11月21日
【あらすじ】
火盗改メは、盗人・雨引の文五郎を追っていた。その文五郎が、落針の彦蔵に襲われたところを、平蔵が助けた。文五郎は逃げたが、彦蔵は捕縛。
何やら彦蔵が文五郎に深い怨みを持っていると感じた平蔵は、老密偵・五丁の勘兵衛の助けを借りて彦蔵を破牢させて泳がす。
【見どころ】
文五郎の粋なキャラクターが生かされている。忍びこんだ先に雨引文五の札を残し、彦蔵の手下に「お頭は捕まったんだから、3両持って田舎に帰りな」というあたり、どこか憎めない盗人。
半面、死んだ勘兵衛の亡骸を前に「盗人は、畳の上で死んじゃぁ、いけないよ」と、人生感を覗かせるシリアスな部分も心に残る。
【ポイント】
原作では、五丁の勘兵衛は五郎蔵とともに密偵となった舟形の宗平。
そのため、ラストで死ぬという展開ではなく、文五郎と勘兵衛のような結びつきはない。
脚本=安倍徹郎 監督=高瀬昌弘 出演=平蔵、久栄、佐嶋、忠吾、沢田、松永、山田、竹内、山崎、五郎蔵、おまさ、雨引の文五郎(目黒祐樹)、五丁の勘兵衛(浜村純)落針の彦蔵(桶浦勉)、伊助(関根大学)