鬼平犯科帳'81

鬼平犯科帳’81 乞食坊主

鬼平犯科帳(萬屋錦之助版)・第2シリーズ(鬼平犯科帳’81)・第11話:乞食坊主
初回放送:1981年6月23日

乞食坊主・あらすじ

雨宿りをする平蔵と酒井。その前を通り過ぎる、筵(むしろ)を巻いて雨に濡れながら歩く坊主のことが、平蔵は気にかかった。
坊主は、みすぼらしい姿をしていて、子供達から乞食坊主とからかわれているが、気にするどころか、それを楽しんでいるようである。

雨があがり、1人の男が吉野屋の店先から、奥にいる主人・鍋蔵に合図を送って来た。神社で密かに言葉を交わす二人。二人は盗賊古賀の富五郎お頭の手下で、押し込みの計画について話していた。狙うのは、吉野屋の隣の質屋だ。
その時、神社の縁の下から、あの乞食坊主が現れる。どうやらそこで、寝ていたようだが、話を聞かれたかもしれないと思った二人は、密かに坊主の後を付け、塒(ねぐら)を突き止めた。

夜になり、二人は坊主を殺そうと夜襲をかけるが、見抜かれており、逃げ帰る。こうなったら、しかたがない。殺し屋を頼もうと、金を作るために、急ぎ働きを計画する。押し込み先は、鍋蔵の店の仕入れ先、本所 (墨田区)相生町にある伊勢屋だ。
鍋蔵は、急ぎ働きで得た100両で、大島屋に殺し屋を頼んだ。

夜。神社の石段で、すれ違い様に、殺し屋は坊主に切り掛かるが、最初の一撃をかわした坊主は、殺し屋の笠を振り払った。驚く坊主。殺し屋は、かつて本所の高杉道場で共に剣を学んだ菅野伊介だった。坊主は、井関録之助という。
菅野は、血の付いた着物を大島屋に届け、墓場に埋めて来たと嘘をつき、30両もらうのだった。

井関録之助(坊主)は、平蔵を訪ねた。この二人、かつて悪さをして遊んだ仲間で、平蔵を銕つぁんと呼ぶ仲だったのだ。
録之助は、平蔵にことの仔細を話し、菅野を目こぼしして欲しいと頼むのだった…

見どころ

殺し屋になった我が身を恥じ、録之助に自分を切ってくれと頼む菅野。そんな菅野を案じる録之助と平蔵。男達の絆の物語をじっくり楽しみたい。


オープニングクレジット

プロデューサー:片岡政義、市川久夫、中岡潔治
原作:池波正太郎(文藝春秋刊)
脚本:安倍徹郎
音楽:木下忠司

キャスト

長谷川平蔵:萬屋錦之助
佐嶋忠介:高松英郎
酒井祐助:目黒祐樹

大沢萬之价
立花正太郎
菅啓次
堀之紀
武藤英司
石山雄大
三谷昇
林孝一
晴海勇三
橋本春彦
門脇三郎
三上瓔子
岸祐一
中島毅士
久保田延広
中西正

ナレーター:小林昭二
殺陣:松尾玖治、錦燿会

寝牛の鍋蔵:人見明
大滝の五郎蔵:伊吹吾郎
菅野伊介:竜崎勝
井関録之助 田村高廣

監督:高瀬昌弘

エンディングクレジット

スタッフ

撮影:淵野透益
照明:内田皓三
録音:谷村彰治
美術:鳥居塚誠一
編集:大高勲
整音:T・E・S・S
選曲:宇賀神守宏
効果:東宝効果集団
助監督:横井洋
色彩計測:田中正博
記録:東紀子
タイトル:鈴木日出夫
演技事務:田中忠雄
俳優管理:田原千之右
制作進行:長沢克明
進行:加納譲治
制作宣伝:納村達夫
装置:横山英一
装飾:清水晋冶
美粧:鵜飼威志
技髪:川口義弘
衣裳担当:福田明
大道具:東京テレビアート
小道具:高津映画装飾
衣裳:東京衣裳
かつら:川口かつら
現像:東洋現像所
制作担当:平林俊夫、小島高治
プロデューサー補:菊池昭康
協力:生田スタジオ
制作:テレビ朝日、東宝株式会社、中村プロダクション