火つけ船頭 ’91年12月18日
【あらすじ】
船頭の常吉は、女房のおさきが同じ長屋の浪人・西村虎次郎と浮気していることを知る。
そのうさをはらすため、常吉は放火魔となった。
ある夜、放火しようと近江屋の裏手へ来た常吉は、店に盗賊たちが忍び込むのを目撃。
この一味の中に西村虎次郎がいたのだ。
【見どころ】
女房に浮気のことで文句を言えない常吉。それでも女房と別れきれない男のいじましさを、下條アトムがうまく表現している。
口をひらけば、ののしりあいそうな夫婦の緊張感が、無言の食事シーンで見事に描かれている。
【ポイント】
原作の常吉は、浜崎の友五郎と船頭仲間という設定。また、岡本の源七一味が捕まるのは、西村虎次郎の口合人として登場する、塚原の元右衛門の筋から。常吉の受ける刑も変えてある。
脚本=安藤日出男
監督=井上昭
出演=平蔵、久栄、佐嶋、忠吾、沢田、山田、竹内、山崎、彦十、おまさ、常吉(下條アトム)、おさき(竹井みどり)、西村虎次郎(伊藤敏八)、久助(北見治一)、およし(中條郷子)、島蔵(松本幸三)、関本の源七(徳田興人)