口に出せない平蔵への思いを演じる梶芽衣子のおまさはドラマに一輪の花を添えるように、寂しくも悲しくも、時には桜のように艶やかに映しだされる。平蔵が若い頃になじみにしていた本所・四つ目の居酒屋「盗人酒屋」の亭主・鶴(たずがね)の忠助という盗賊の娘がおまさです。その頃おまさは10~11歳でしたが、平蔵に惚れていたことがわかる。血闘で平蔵と20余年ぶりに再会。この時、おまさは父親が足を洗う時に世話になっていた吉間の仁三郎の下で引き込み女となっていました。だが、仁三郎の非道なやり口に嫌気が差して、自ら志願して命がけの密偵になります。
それ以後は旧知の中である彦十などと共に密偵として活躍。いつもは紅白粉の小間物売り姿で尾行や探索を行っています。フリーの盗賊として、数々の修羅場を渡り歩いてきただけに、数多くの盗賊一味の頭や子分、引き込み女の顔や名前を覚えており、火盗改メの貴重な情報源となって活躍する。
ドラマの中では、訳ありの女おまさでもあり狐火では昔仲間だった、二代目・狐火勇五郎と復縁し、夫婦となる。しかし、勇五郎が死んだ後には密偵として復帰したり、昔の仲間に誘われ、ここならずも平蔵を裏切ったりすることもあるが、平蔵の人情に改心させられ密偵として、根付き、五郎蔵と夫婦になり落ち着く。